読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

カクテルピアノと心臓抜き

映画と観劇の記録

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』@赤坂actシアター (2017) 感想①―全体のこと

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』を赤坂actシアターにて観劇しました。

f:id:lemonginger01:20170218160723j:plain

楽しかった!
ミュージカルって楽しいなあとしみじみ思います。


ストーリーはご存知シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』なわけですが、演出がこうも変わるとここまでロミジュリって雰囲気変わっちゃうんだ!という驚きもありました。
巷では悪評もたっている現代アレンジ、私は好きです。


そして演じるキャストによって全く違う物語に見えるのが一番の驚きでした。
私は異なるロミオとジュリエットの組合わせで三回見ましたが、全ての組合わせ見たかったなあ……。


私が見た組合わせは
①古川生田平間馬場渡辺大
②古川木下平間矢崎渡辺宮尾
③大野木下小野矢崎広瀬宮尾
(敬称略)
一応全キャスト拝見できたので良かったです。



さて、問題の笑現代ナイズされた演出ですが、私はアリでした。
初演再演と観劇していませんので演出の比較とかはあまり出来ないのですが、言われているよりもトンチキではないかな、と。


むしろ古典作品に色んなメッセージごんもりにしたくて現代アレンジにしたんだろうと思って楽しく見てました。



まず驚いたのがopの映像。
「死」が踊る後ろで流れる映像が爆撃される市街であったり爆弾を落とす戦闘機であったり……。
そしてその映像を映していた幕を「死」が開いて始まる『ロミオ&ジュリエット』の物語。
初っぱなから度肝ぬかれた。

私はこの映像が「死」というキャラクターの本質で、ヴェローナという街が象徴しているものなのかな、なんて思いました。



幕が開けて現れるヴェローナの街も少し荒廃した現代の都市といった雰囲気。荒廃の具合が発展途上の都市のようにも見えるし、ディストピア風にも見えます。
ディストピアものはあまり嗜まなかったのですが、結構好みの世界観。

そんな感じだったので、ロミオが徘徊散歩していた森も大自然の恵みたいな森じゃなくて廃墟とかがありそうな雰囲気だなと思いました。骨組みみたいなセットもあったので。

荒廃具合といえば、印象的だったのは霊廟の十字架でした。壊れたままの十字架にコードが繋がっていたのが世界観を考察したくなります。


世界観についての初見の感想はこんな感じ。
↓↓↓


現代のようでいて、観客のいる世界と繋がる世界ではなく、ifの世界であり一つの可能性として示された世界かなと思いました。



次に、小道具の現代ナイズについて。
代表的なのはスマホAEDです。
あー出てくるな、と思っただけでした。

AEDに関しては前評判で知って、マーキューシオやロミオとジュリエットAEDで治療しようとしたらどうしようと思ってましたが、ギャグの文脈だったので良かった。

AED発達してる世界ならジュリエットの仮死に気づけるだろうという突っ込みは野暮ですね笑。

スマホはむしろあって良かった。
ただ、メールなのかLINEなのかはっきりしないのが中途半端でしたね。そこまで気になったわけてはないですが…笑。
ベンヴォーリオの「一斉だ!」でメールかなと思ったら「ロミオどこだ」のシーンで「既読スルー」と言っていたのでLINEでした。グループLINE作れよとか色々と突っ込みたかった笑。


(↑初見の感想振り替えると幕間で思いっきり気になってましたね笑)


今思うとベンヴォーリオはLINEじゃなくてメールを使っていたのかもしれない。

だけど、個人的には神父様がパソコンでアロマの作り方を検索してたのは可愛かったです。
あれ、Siriっぽい。
そして神父様はガラケー。この世代間格差がツボ。神父様はアロマ爆発させたりロミオへの連絡をメールに頼ったり、現代ツールを過信してる。



あと、仮面舞踏会がディスコパーティーっぽくなってて面白いです。
ミラーボールに原色ギラギラのライト。ズンズンズチャズチャ♪ズンズンズチャズチャ♪のメロディーに合わせて謎ダンス。キッチュな雰囲気が好みでした。下品すぎないけど、上品じゃない感じがキャピュレットなんでしょうか。


個人的に唯一「うーん…」となった現代ナイズは♪綺麗は汚いと歌うシーン。おそらくヴェローナの繁華街なんでしょうが、絶妙にダサい…。
三回目ではそろそろ慣れてきてNHKホールのお母さんと一緒を見ている感覚で見てました。そう思うと可愛いシーン。




現在ナイズされた世界観について色々と書きましたが、この世界観もロミオの二人で感じ方が全く違いました。とりあえずロミオは別エントリーで語りたいので割愛。



三回の観劇で、この作品の魅力は現代ナイズされた演出なのかもしれないと思いました。
もちろん楽曲の魅力やキャストの魅力も大きいです。
けれど、月並みな感想ですが、この世界観の中で繰り広げられることによってロミオとジュリエットという古典が新鮮な物語に生まれ変わっているような気がしました。
誰でも知っている物語をワクワクしながら次の展開を楽しませるって凄いことなのかも、とも思ったり。


次にまた再演したら見たいです。その時はまた現代ナイズの方法を変えて新しい表現になって欲しいかも。物語は古典だけれど、演出は常に新しいものになっててほしい作品だと感じました。

キャスト別感想はこっちのエントリーで↓
lemonginger01.hatenablog.com