カクテルピアノと心臓抜き

映画と観劇の記録

『ロミオ&ジュリエット』@赤坂actシアター 感想③―キャスト別【Wキャスト編】

前回に引き続きキャスト別感想です。(敬称略)

 

全体の感想↓

 

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 Wロミオの感想↓

 

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ジュリエット(生田絵梨花/木下晴香)


生田絵梨花

まるで少年のようなジュリエット。
一人称が「僕」でも不思議じゃないだろうと感じました。
声質なのかな?それともキャラクターが少年らしい?歌い方?

もしかしたら、生田さんがリボンの騎士で主演だったというのを知っていたからそう感じたのかもしれません。


そんなジュリエットでしたので、古川ロミオとの組合わせだとWヒロイン笑。
可愛らしい顔立ちの少年のようなジュリエットとぽわぽわ中性イケメンロミオだとWヒロインになってしまうんですね。
 

それから漫画的なジュリエットだなあとも思いました。
乳母に対しては友達のように接しているようにも見え、野獣系ティボルトの優しさを知っている。ちなみにティボルトは渡辺さんでした。

多分聡明でしっかりもののジュリエットなんじゃないかな。

 

生田ジュリエットちゃんの一番好きなシーンはナイフで自分の胸を刺すシーン。
一瞬怖がるような、嫌がるような、歪んだ顔をしていました。
薬を飲む時よりも、ずっと苦しそうな顔が印象的。

それまでは負けん気が強くて逞しい女の子なジュリエットが、やはり死を恐れている「当たり前な」感情がかいまみえてグッとる。


あと、生田ジュリエットの好きな衣装は最初のスカジャンとスパッツ着用ジュリエット!

あのロミオと出会う前の部屋着感が完全に油断してる女の子で可愛い。
ロミオと出会って一目惚れしたら自室にいても油断してる格好はしないのが恋する乙女って感じ。

 

 

木下晴香

2回見たジュリエットです。
組合わせは①古川平間矢崎渡辺宮尾と②大野小野矢崎広瀬宮尾でした。

両方で受けた印象は同じでした。
ヴェローナの天使だしキャピュレットの奇跡。
可愛すぎるジュリエット。


歌声も綺麗で♪天使の歌が聞こえる~って私も聞こえる!!天使の歌が!!!ってなった。

 

木下ジュリエットは根っからの良家のお嬢様って感じが強いと思いました。
乳母に対する態度も、育ての親として家族愛があるけれど主人として「命令」するんですよね。
お前はいくつ嘘をつけば気がすむの!の言い方が主人が召し使いに言うそれでビックリした。


それと、清純派で優等生って感じのジュリエット。
悪い遊びはしてこなかっただろうし、18になるまでスマホ持ってなかったとかいう現代では絶滅危惧種なのが奇跡的に似合う。

余談ですが、18になるまでスマホ持たされないってキャピュレット家は子供の通信費ケチるレベルで借金が嵩んでるんでしょうか?
というかあの治安悪そうなヴェローナで通信手段持たせないっていったい……?

 

個人的にスレてない清純派ジュリエットと思ったシーンその1はキャピュレット夫人からスカジャンを脱がされるシーン。
居心地悪そうに身を縮めているのがイケないもの見させられてる感じした。

その2は仮面舞踏会。
まず、仮面舞踏会にいやいや参加してるので、ギリギリまで仮面付けないでチラチラ横目で周りを窺ってるんです。
こういうパーティ初めてで慣れてなさそうな感じが可愛い。

そしてベンヴォーリオとマーキューシオに絡まれるところ。
あまりにも不良に絡まれるお嬢様って感じ。ティボルトーーー!最愛の従妹がDQNに絡まれてるーーーーーー早く助けてあげてーーーー!!!と叫びたくなる。


そして、個人的木下ジュリエットの可愛いポイントは♪天使の歌が~で、天に向かって「神様……」って呟いていたところ。
幸せ一杯でニヤけます。


あと薬による眠りから覚めた時、そばにロミオの亡骸があるのにギリギリまで死んでることに気づいてないんです。

早く起きてよロミオって感じでこれから二人で逃げることへの喜びでロミオに抱きついて心臓が動いていないことに気が付く。
直前までウキウキワクワクしてたのに冷たいロミオに抱きついて気づく様子が痛々しい。

そしてナイフで刺すのにあまり躊躇いがなくブスッといっちゃう。
色んな意味で強い女の子。

 

木下ジュリエットはもしかすると、ロミオに出会わなければパリスとそこそこの幸せな夫婦生活を送れたんじゃないかな、と思いました。

生田ジュリエットはロミオ以外の人と結婚しても絶対に幸せになれなさそうなんですけどね。

 

だから、木下ジュリエットは従来のジュリエットイメージ、つまり私のイメージする中世の貴族の女性になりうるジュリエットに近いのかも。
一方で生田ジュリエットはとっても現代的で、ロミオの妻なんて自称しているけど結婚以外の女性の幸せを探すこともできそうな女の子なイメージ。


大野生田ペアも見てみたかったなあ。


死(大貫勇輔/宮尾俊太郎


大貫勇輔

一回しか見れなかったのですが、ヴェローナの不幸の象徴のような死でした。ヴェローナの分身としての死。

ヴェローナの死がロミオに目を付けてヴェローナの不幸の一つとしてロミオとジュリエットを利用した、みたいな印象。
ロミオと徐々にシンクロしていくのはロミオと死が一体になっていく感じがしました。
古川ロミオは幼い頃から死を感じ取っているように見えたので、死はロミオを操っているのではなくロミオが死の望む動きを無自覚にしてしまっているように見えます。


特に印象的だったのは自分と一体化していくロミオを見てニヤっと笑ったような気がしたんです。気のせいかもしれないんですが、もうこの時にはロミオが自分の思い通りに死ぬことを確信して笑っているような感じがした。

ロミオにねっとりと絡んでいたり笑ったりしていたのは小さい頃からカモとして見てたロミオをヴェローナの毒(=憎しみ)に染め(=ティボルトを殺した)ようとしていたのが成功したからかなーなんて思ったりしたんだけど……実際どんなイメージで死を演じられていたのかは分かりません笑。


大貫死と古川ロミオの死の舞踏だけでもDVD買う価値があると思うほどお気に入り。


宮尾俊太郎
二回見た死です。
こちらの死はひたすらに美しくて、死の擬人化って感じがしました。

古川ロミオとは死の舞踏を踊ってたので死と踊ったロミオが死ぬのは必然って感じ。
面白いのが、♪僕は怖いの時では古川ロミオの死のオーラのように見えたのが♪憎しみ~エメリプライズのあたりでは死そのものの擬人化になっていたところ。

大野ロミオの方では死に抗おうとする大野ロミオを無理やり躍らせようとしている印象。
ロミオ&ジュリエットにおけるヴィランの立ち位置という感じでした。


宮尾さんの死は宮尾さん本人というよりも宮尾さんの踊りが死という印象で、例えるならエリザベートのトートのキスが死との踊りみたいな?


マーキューシオ(平間壮一/小野賢章


平間壮一
闇を抱えていそうなマーキューシオ。
甲高い笑い声とかナイフを見る目とか、完全にヤバい男なのにふとした瞬間に厭世的な雰囲気を出しているのが印象的でした。

大公が登場した時に嫌そうな顔をしていたのも、単なる反抗期ではなく死ぬ寸前にもらしていた両家の争いを憎むという言葉がその理由を表しているように感じました。

そして次の♪憎しみで、モンタギュー夫人に見られたときの「やべっ」って顔が好き。先生に見つかっちゃったみたいな。そしてお辞儀が綺麗です。綺麗なのに上目遣いで夫人の顔色を窺っている。何を考えているのか分からないし「チャオ、シニョーラ」と茶化しながら退場していくのも、何か誤魔化しているような印象。


その一方でモンタギューの仲間たちとふざけてる時の楽しそうな悪ガキ感。
ロミオはどこだのダンスで既読スルーされてましたけど、きっと日常的に既読スルーされてるんだろうなって思った。怒ってもいいんじゃ?ってぐらい、ぐったり「あ゛ぁ~」って言ってたのにロミオのこと許しちゃうし、ロミオは既読スルーのプロだし、マーキューシオは甘やかしすぎ。
平間マーキューシオの時は古川ロミオだったので大野ロミオが既読スルーのプロかどうかは分かりませんが笑。


仮面舞踏会ではティボルトのことからかったり女の子からかったり忙しかった印象。さては遊び慣れてるって思った記憶あるんですが、ここのシーンはロミオとジュリエットとティボルト追うのに必死で目が足りなかったので記憶があやふや…。

でも、ロミオがティボルトにどつかれてる時にベンヴォーリオと一緒にすっ飛んできてて、友達思いの優しい男なんだなあと思った。
あの中でロミオのことちゃんと見てあげられてるって凄いなって……思った…。


♪綺麗は汚いのシーンはとても楽しそうだった。記憶が正しかったらここでも女の子からかってましたね。だがしかしマーキューシオガチ勢のヴェローナの女の子はいるだろうなって思った。かっこいいから。


そしてやっぱり印象的だったのがロミオに対して俺たちを裏切るのかとナイフを向けるシーン。あそこ、マーキューシオ自身も辛そうで、ロミオも馬鹿なことするなとばかりにナイフを払いのけるのが見てて辛い。

ロミオがキャピュレットの猪どもと親戚に~みたいな言葉もキャピュレットのジュリエットに恋をしたロミオを咎めているというより、自分の知っていたロミオが別の人間になっていくことや、置いていかれることへの恐怖から出てきた言葉に感じた。

死に際はヴェローナへの恨み言とロミオへの愛情があふれていた。
親友にジュリエットを愛し抜けって死に際に言うのは反則。かっこいい。


また、ティボルトに対しては昔から俺のことをさげすんできたと言っていましたが、この言葉でマーキューシオはキャピュレットが憎いというよりもティボルト個人への私怨が強いのかもと思いました。


マーキューシオはヴェローナ大公の甥なわけで、大公の姉妹がモンタギューに嫁いで出来た息子とかじゃない限り中立でいられたのにモンタギュー過激派になった理由はロミオとベンヴォーリオが好きだったからという理由のほかにティボルトの私怨があるのかも。
もっと大人でロミオと同じくヴェローナの死を感じ取っていたけれど、ヴェローナの毒にのまれてしまった少年のような青年なのかもしれないと思わされたマーキューシオでした。

来世で幸せになろうね。


小野賢章
DQNマーキューシオ。すごく……反抗期の少年っぽいというか、DQNっぽいマーキューシオ。
それこそ、世界の王で歌ってるようにくだらない大人たちの争いをしり目に馬鹿やって楽しんで、自分たちの世界を支配しているのは自分たちだと人生を謳歌している感じ。

小野マーキューシオは大野ロミオでしか見てないのですが、既読スルーではうんざりというよりも焦り?とか苛立ちが見えていたので、あまり既読スルーされなれていない。ということで、たぶん普段はちゃんとロミオとコミュニケーションとれてそう。
でもあの苛立ち方見ると、五分以内に返信しないと怒りだしそうなライン中毒な印象受けました。
きっとポケモンGOやりながら自転車乗って事故るタイプ。


ロミオがジュリエットと結婚したと聞いた時はキャピュレットへの憎しみが一杯で、本当に「裏切られた!」って気持ちだったのかな。
ロミオに対しては目を覚ませ!って必死だった印象です。


あと、ティボルトに対しては馬鹿にされてたっていうのが、なんか納得というか……広瀬ティボルトはクールなので、おちゃらけた小野マーキューシオのこと小馬鹿にしてそうって素直に思った。
ティボルトに対して喧嘩ふっかけるのはきっとマーキューシオだったんだと思います。

来世でも楽しく青春謳歌できそう。


ベンヴォーリオ(馬場徹/矢崎広


馬場徹
一回しか見てないんですが一番のガチ恋枠だなって……思った…。
従兄弟だからというのを超えてモンタギュー夫人がロミオのこと頼むわよって言うの分かる。こんなお兄ちゃんが欲しかった。

そして迸る苦労人感。ロミオがぷいーってベンヴォーリオ無視して森の方へ行っちゃうのも、やっと見つけても置いてかれちゃうのも、全部ベンヴォーリオが甘やかしてるからだと思う。
そして多分ロミオに振り回されてもまるっと許しちゃうベンヴォーリオにも責任があると思うよ…笑。

AEDの時はマーキューシオと親指立てているのがとても好き。なんだかんだで悪ガキ。
でもロミオが「置いていってすまなかった」って言ってるのはスルーせずに追及すべきだと思いました。たぶんナメられてるから笑。


そしてロミオがジュリエットと結婚したと聞いた時は戸惑っている感じがした。
キャピュレットのジュリエットと恋人になるなんて!という気持ちと、ロミオが自分たちのことを裏切るわけがないって気持ちがぐるぐる渦巻いているという印象。


それ以上にマーキューシオが荒れていて、仲間たちとロミオが対立しているのを見るのが辛そう。
決闘のシーンではどうやったらこの決闘を止められるかっていうのを悩んでいたのが印象的でした。記憶違いでなければキャットファイトを止めに入っていて紳士だなあと思った。

マーキューシオを抱きとめている時は凄く情けない顔をしていて、そこからロミオがティボルトを刺すまで「傍観」に徹していたのが可哀想なところ。


ロミオが大公の前に姿を現した時は「大人たちが悪い」と言っていますが、たぶん本当にロミオは悪くないんだって思っていただろうし、でもそれは言い逃れでしかない。
それでも呆然自失とするロミオを自分も辛そうな顔をしながら大丈夫、大丈夫、と慰める。無償の愛が切ない。
もはや甘やかすどころの騒ぎではないけれど、たぶんあのロミオはベンヴォーリオの無償の愛がないと衰弱死していたと思う。

最後の方とか完全に丸まっちゃって蹲ってるロミオの背中を抱きしめてさすってて、弱弱しい少年と同じく何もできない非力な少年が震えてるみたいな……王蟲の子供を守るナウシカみたいなTwitterの感想で聖母と言われてる理由が少し分かりました。


馬場ベンヴォーリオはもともとロミオ・マーキューシオとは同年代に見えていたのですが、これをきっかけに大人にさせられてしまったのだと♪どうやって伝えようでは感じました。


最初のちょっとロミオに対してMっぽい振り回されがちな悪ガキから未来を見据える青年になっていく様子がとても魅力的で、大好きなキャラクターです。

 

矢崎広
こちらは二回見たベンヴォーリオ。より悪ガキっぽさがあって、お調子者なベンヴォーリオな感じ。
あと、熟女サイト見てる。

矢崎ベンヴォーリオはもともとロミオ・マーキューシオより2,3歳年上っぽさがありました。ロミオに振り回されがちだけど、全ては夫人からロミオのお目付け役を命じられてしまったせいであって、ベンヴォーリオは悪くない。

古川ロミオと平間マーキューシオは3回に1回ぐらいは矢崎ベンヴォーリオに本気で怒られてそう。
大野ロミオと小野マーキューシオは仕方ないなって多めに見てもらってそう。


馬場ベンヴォーリオよりかはDQN感あるベンヴォーリオかなと感じましたが、前半と後半で一気大人になっていく様が鮮やかでした。


でも、矢崎ベンヴォーリオはもともと自分たち以外の、大人たちの社会を見ることのできる青年だったようにも思えます。
ロミオを庇うシーンはロミオを庇うために大人が悪いのだと主張していて、それが言い訳だとどこかで気が付いていそうでもあり、ヴェローナにとりついた死のせいだと、もっと根本的な指摘をしているようでもありました。


♪どうやって伝えようでも、より青春時代の終わりを自覚して大人にならなければならないことを噛みしめている印象。


きっと今後のヴェローナを引っ張ていくのはこのベンヴォーリオなのだと思う。
矢崎ベンヴォーリオが主人公のスピオフを見てみたい。

 

 

ついでに、♪どうやって伝えようの背景映像のプチ考察↓

 

ティボルト(渡辺大輔/広瀬友祐


渡辺大
感情大爆発、声量も大爆発ティボルト。
野獣系でした。

多分、若者組の中で一番のヴェローナの被害者で♪本当の俺じゃないは言い訳ソング。
本質的には♪今日こそその日であって、ヴェローナの毒にのまれてしまっているように思えました。

渡辺ティボルトの好きなシーンはジュリエットに拒絶されてショックで目を見開いているところ。
はっきりと失恋しててとっても可哀想。

あと、凄く美声。

 


広瀬友祐
自分をおさえておさえて今まで生きてきたんだろうなって感じる闇を抱えたティボルトでした。
口にはりつけた笑いと笑っていない目が印象的。

♪本当の俺じゃないは、戻れない過去を嘆いていました。もう素直なあのころに戻れないから、と自分からヴェローナの毒にのまれに行ってしまっている感じ。
しかも、それを自覚したのはキャピュレット夫人の♪憎しみで最初に覚えるのが憎しみだと歌われた時のように思いました。その歌詞を聞いた時にハッとした顔をしていたように記憶しています。
夫人の言葉を聞いて、自分がヴェローナの街に正義心を歪められてしまったことを知ったのかもしれない。

 

広瀬ティボルトは平間マーキューシオと同じ雰囲気を感じるティボルトで、ジュリエットに恋をしたのもきっとヴェローナの人間らしからぬ清らかさを感じ取っていたからなのかな、と思います。

好きなシーンは死ぬ時。
倒れ方がバッターンではなくズルズルっと足を滑らせるみたいに倒れるんです。自分が死ぬなんて信じられない、みたいな感じ。死ぬ直前まで毒にのまれたまま、ある意味ヴィランとして死んでしまったように見えました。
♪本当の俺じゃない以外では徹底して「何をしでかすか分からない危ない男」であり続けていたティボルトで、ヴェローナの悲劇性が色濃く出てしまったキャラクター。

そっくりだと思った広瀬ティボルト平間マーキューシオの組み合わせでも見てみたかったな~なんて思いました。

このティボルトはヴェローナに生まれなかったら素直に正義心を歪められることなくまっすぐな青年に育ったんだろうと思います。

 

 

長くなってしまったのでシングルキャストはまた別エントリで…